コイルマシンはタトゥーの伝統的な機械であり、強い打ち込みとクラシカルな風合いを演出する魅力があります。ただし、コイルマシンは自分で細かくセッティングする必要があるため、正しい調整方法を知らないと性能を十分に発揮できません。
今回は、タトゥー用コイルマシンの基本的なセッティング方法と、ライン用・シェード用の違い、注意点についてわかりやすく解説します。
1. コイルマシンの基本構造を理解しよう
まずは各パーツの名称と役割を把握しましょう。
• コイル(電磁石):針を上下に動かす動力源
• アームチュアバー(アームバー):ニードルと接続し、針の動きを作るパーツ
• スプリング(前後):振動と弾力性をコントロール
• コンタクトスクリュー:スプリングに当たる部分で、通電とスピードを調整
• フレーム:全体を支える本体構造
これらを理解することで、セッティングの調整ポイントが明確になります。
2. ライナー用・シェーダー用で設定は異なる
コイルマシンは基本的にライナー用とシェーダー用に分かれ、それぞれに最適なセッティングが必要です。
【ライナー用(アウトライン用)】
• ギャップ(コンタクトスクリューと前スプリングの間隔):約1.5〜2.0mm
• スプリングの硬さ:硬め
• スピード(Hz):速め(約120〜150Hz)
• 電圧:6〜8V前後が目安
• 特徴:短いストロークで力強く、素早く線を打ち込む
【シェーダー用(色・影入れ用)】
• ギャップ:約2.0〜3.0mm
• スプリングの硬さ:やや柔らかめ
• スピード(Hz):やや遅め(約90〜120Hz)
• 電圧:7〜10V前後が目安
• 特徴:柔らかく、滑らかな打ち込みで肌への負担を減らす
3. セッティング手順の基本
1. 電源をオフにした状態でコンタクトスクリューの位置を調整
2. 針の出し具合(ニードルの伸び)を確認:ライナーなら1〜2mm、シェーダーならやや深めに設定する場合も
3. 通電して動作をチェック:耳でバチバチ音のテンポを確認。滑らかに振動し、詰まりや引っかかりがないか確認する
4. 実際に人工皮膚などでテストし、インクの入り・ラインのキレ・肌への影響を確認
4. よくある失敗と注意点
• スプリングが摩耗しているとパワーが安定しない
• 電圧だけで調整しようとすると不安定になる(物理的セッティングが重要)
• 針の接続が甘いとブレやインク飛びの原因に
• 作業中に発熱しやすいため、長時間使用には注意
まとめ:コイルマシンは「音で調整、感覚で仕上げる」奥深い機械
コイルマシンは自分で調整する必要がある分、使いこなす楽しさと職人的な魅力が詰まったタトゥーマシンです。初めは難しく感じるかもしれませんが、音や振動、針の感触を理解していくことで、自分だけの最適なセッティングが見つかります。
ロータリーマシンとは一味違う彫り心地を体験したい方、クラシックなスタイルを極めたい方に、コイルマシンはぜひおすすめです!


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